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2008.03.26

伊良部と野茂

「サーブの打点が低い、インパクトで腕が伸びない」とある方のサーブの悩みについてボクなりに色々思案していて思ったことを書いてみます。

サーブの打点が低くても腕が伸びていなくても良いサーブを打つ方はいっぱいいらっしゃいます。ただ球速や球威を上げるにしろ回転の種類や量を増やすにしろ、発展性(伸び代)の面ではやはり一番高い打点で打てた方が有利だとボクは思いました。

最高到達点でサーブを打つコトが最善であることは、トッププロ達のサーブを見れば疑う余地はありません。軸折れしてしまう選手は居ますが、みなきちんとインパクトで肘が上がって高い打点で打っています。

ただ一般愛好家なら低い打点からの滑ってくる逆回転サーブやえげつない曲がりのスライスサーブってのもかなり有効なサーブであります。それを武器にしている方もいらっしゃると思います。

「じゃあ別に高い打点で打たなくても良いじゃん」ってことになりますが、もうちょっと掘り下げてみました。

いきなり野球の話に飛びますが、かつて伊良部という豪速球投手がおりました。ロッテからメジャーに移籍し活躍した彼は今なお日本球界No.1球速を誇る投手であります。

一方でメジャー移籍の先駆者となった野茂という名投手もおります。日本球界からメジャーへの道筋を作った功労者ですな。メジャーでノーヒットノーランも記録し日米通算200勝を超えた大投手です。

さてなぜほぼ同時期にピークを迎えたこの二人が登場するかというと、同じ天才投手でもそのフォームの違いが顕著だからです。

日本人最高球速を誇る伊良部ですが、彼のリリースまでのフォームは思っているよりもコンパクトだった記憶があります。プロレスラーのような大きな身体を整然と使う様はちょっと違和感を感じるほど。

前への踏み込みや胸の張りはさすがに力強く大きいのですが、腕の振りは小さな軌跡を描いておりました。肘をそんなに高く上げず肩の入替えと腕力で剛球を叩き込むような印象でした。

一方の野茂、ご存知のように大きく振りかぶってからクルッと一度打者に背中を向けるトルネード投法の彼ですね。160km/h超えの伊良部には及びませんが彼も全盛期は150km/hを超えるストレートと大きなフォークボールで、三振の山を築いておりました。

彼の投球フォームは巨躯を非常にダイナミックに使っております。伊良部とは異なり、首を少し横に逃がして最高到達点でリリースしております(最近は少し肘が下ったかな?)。下半身からの強烈なパワーを腕力に上乗せして叩きつけていく伊良部とは異なり、野茂は全身で作り上げたパワーを運動連鎖を経ながら最終的に指先一点に集中させてボールを投げています。

ある時期では野茂と肩を並べるような活躍をした伊良部ですが、ふたりが積み上げた勝利数は大きくかけ離れています。ましてや既に引退した伊良部に対して野茂は未だに現役続行を標榜しております。

やはりどこかに頼ったフォームで投げていると実働年数は短くなってしまうのではないでしょうか?野茂も右肘に爆弾を抱えてはおりますが、まだ現役を続けようというだけの球威を維持出来るのは全身を使った理に叶ったフォームで投げ続けてきたからではないでしょうか?

きっと伊良部も実績を上げ始める前はもっとダイナミックなフォームで投げていたのではないでしょうか?確か潜在能力を認められながらもロッテのエースになるまで時間がかなり掛かった記憶があります。きっと制球に悩んでいたのでしょう。そして有り余るパワーと制球力の折り合いを付けるために、あのようなちょっと違和感のあるコンパクトな腕の振りを身に付けたのではないでしょうか?(勝手な想像ですけど)

例えが長くなりましたが、テニス一般愛好家で最高到達点でサーブを打たない人の心の片隅には「制球力の不安」があるのではないでしょうか。目線を動かさないで済むような低い所にトスアップして、ボールを手懐けようとしているのではないでしょうか?

ラケットの反発力や回転性能が高まった現代なら、低い打点の手先だけのサービスでもナイスサーブが繰り出せるのは事実です。でもその上達の先は非常に短いのです。身体全体、いや腕全体、いいえラケットの性能すらも使い切っていないのですから。

ま、「今度こそ入るかなぁ〜、また入らなかったらいやだな〜、お願い入って」と思いながらサーブを打っているボクが言えるコトじゃないんですがね(^^ゞそれでもボクが本格派サーブにこだわる理由をご理解頂ければと。

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