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2011.04.09

【4thレビュー】SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM 〜 強烈なパースで超広角らしさを堪能 〜

Review : SIGMA8-16mmF4.5-5.6

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『SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM』のレビュー4回目。今回は書く書く詐欺のようになっていた広角レンズの特徴である『パースペクティブ効果』について。

【レビュー前】スペシャリスト達を誇り、守りたい
【1stレビュー】SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM 〜 職人達が夢を実現したレンズ 〜
【2ndレビュー】SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM 〜 外観とデフォルメ効果 〜
【3rdレビュー】SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM 〜 FLDとは? 〜


■ パースペクティブ効果ってなに?

先ずパースペクティブという言葉の意味を検索してみました。

英語では「遠近法」「透視図法」「透視図」などを総称して perspective(パースペクティブ)といい、日本では遠近法、透視図のことをパースと称する事が多い。遠近法(えんきんほう)は広義には、絵画や作図などにおいて、遠近感を持った表現を行う手法を指す。

基本的な概念として、窓ガラスを通して見える光景を窓ガラス表面に直接描画することに似ている。ガラスに写し取られた図は3次元の光景を縮小し2次元平面上に変換したものとなる。 遠近法 / Wikipedia

Hall_of_christ_church_college
【public domain】Painting of the Hall of Christ Church College, Oxford. Source: Knight, Charles: “Old England: A Pictorial Museum” (1845). Picture downloaded from Hall of Christ Church College Oxford by Jan Kameníček 14:04, 22 January 2006 (UTC).File:Hall of Christ Church College.jpg / WIKIMEDIA COMMONS


なるほど。パースペクティブとは、絵画において遠近感を描くために用いられた手法・技法のことを言うわけですね。写真も絵画と同様に3次元の光景を2次元に写し取るわけですから、広角レンズにとどまらず超望遠レンズにいたるまで、パースペクティブを活用していることになりますな。

それを踏まえて広角レンズだけが持つ『パースペクティブ効果」とは...

広角レンズは、肉眼で見たときに比べて、被写体が遠くに写るため、遠近感(パースペクティブ)が強調される。 広角レンズ / Wikipedia

広角レンズで撮った写真から非日常を感じる所以はここにあるわけですね。

Review : SIGMA 8-16mm F4.5-5.6
1/200 | F5.6 | 8mm | ISO100 | +0.3EV

絵画などに用いる遠近法は肉眼で見た時の奥行きを正しく描こうとする手法なのに対して、広角レンズは肉眼で見る以上に奥行きを感じさせ、遠近感を強調する効果を有しているということですな。

上の写真は小さな乗馬場の柵から広角端で写したんですが、あまりにも遠く小さく写るからめちゃくちゃ広く感じますよね。これがまさしく広角レンズのパースペクティブ効果です。


■ 超広角らしいパース強調写真が撮れない....

『超広角の強烈なパースペクティブと広い画角を活かして、被写体と背景の距離感を出したり、背景の広がりを表現したり、独特な表現が可能』(商品詳細ページ

SIGMA8-16mmの特徴としてSIGMAはこう謳っています。広角端8mm(35mm判12mm相当)は未だかつて無い焦点距離ですから、それはそれは強烈なパースペクティブ効果(デフォルメ効果含む)が得られます。得られるはずです。頑張って得なきゃダメ(^_^;)

Review : SIGMA 8-16mm F4.5-5.6
1/800 | F6.3 | 8mm | ISO100

Review : SIGMA 8-16mm F4.5-5.6
1/400 | F6.3 | 8mm | ISO100

Review : SIGMA 8-16mm F4.5-5.6
1/500 | F6.3 | 8mm | ISO100

あれ?ちょっと待って...(ーー;)

ところがお借りした当初は、撮っても撮っても超広角レンズらしいパースを強調した写真になりません。というか散漫な写真にしかならなくて、一向に絵にならないんですわ。楽しさよりもやっちまった感が勝って、すぐに返却したくなりましたよw


■ 超広角レンズは知性も必要なんだ...

Review : SIGMA 8-16mm F4.5-5.6
1/13 | F4.5 | 8mm | ISO100

じゃあってんで広角らしい描写が楽しめるはずの室内を撮ってみました。斜め俯瞰の室内撮影は超広角らしい描写を楽しめるんだけど....

Review : SIGMA 8-16mm F4.5-5.6
1/10 | F4.5 | 8mm | ISO320

水平垂直に気持良く撮ろうとすると....水平が上手く取れなくてなんとも気持ち悪い写真を量産しちゃってたりしました(ーー;)ありゃりゃ

水平を取る感覚がいつもと違うんですよ。K-7には電子水準器が付いてるんで、ファインダー覗きながら下に表示されるインジケーターを確認すれば水平は簡単に取れるなずなんですが、水準器の水平とファインダーに映る像が合致しないんです。

あれ?K-7の電子水準器が壊れた!いやファインダーが斜めってるのかな?そうだ!そうに違いない!とペンタックスフォーラムにいつ行くかも考え始めるぐらい。でも実は...

多くの透視図には消失点が存在する。一点透視図法とは水平線上に1つの消失点を持つものであり、視界に存在するすべての平行な直線は、距離に比例してこの消失点へと近づいていき、やがて消える。まっすぐ地平線の彼方へと消える2本の線路を想像すればわかりやすい。遠近法 / Wikipedia

■ 一点透視図法 ... 対象物を正面から見る。
■ 二点透視図法 ... 対象物を斜めから見る。
■ 三点透視図法 ... 対象物を斜め下/斜め上から見る。
■ 零点透視図法 ... 消失点の存在しない直線的ではない場面を見る。

斜め俯瞰の1枚目は三点透視図法で撮っていますが、2枚目は対象物を正面から捉える一点透視図法で撮るべきところを少し俯瞰気味に撮ってしまった結果、水平を取れずに斜めってしまったというわけですか。(一所懸命に手前左の柱で垂直取っていたのが仇になったな)

全部収めようとする自分

DA10-17mmFisheye

ぐにゃっとひん曲がるFisheyeの時は全然気にならなかったけど、直線をまっすぐ写そうとする広角レンズは気を使うんだなぁ。

....超広角は難しい。構図を決める時に消失点や透視図法まで考えなければいけないのか〜(ーー;)


■ 寄れば解決!超広角レンズを楽しめ!

気合を入れなおして難しく考えながら写真を撮るのも楽しいかも知れない。でも...

Review : SIGMA 8-16mm F4.5-5.6
1/250 | F6.3 | 8mm | ISO100

いつもは絶対にそこから撮らないであろう場所に立って、子供とぶつかる瞬間にシャッターを切ったり...

Review : SIGMA8-16mm F4.5-5.6
1/160 | F6.3 | 8mm | ISO100 | +0.7EV

いっそノーファインダーで思い切ったアングルから撮ったりすると、楽しい写真が撮れることに気付きました。

そっか、うっかり屋の僕が小難しいこと考えながら撮っても、たぶん良い作例は撮れない。被写体に吸いつくような場所から、深い被写界深度を活かしてノーファインダーで撮ったりすれば良いんだ。きっと(違う)

Review : SIGMA8-16mm F4.5-5.6
1/10 | F4.5 | 8mm | ISO160 | -0.3EV

ほら、だんだん自分らしい写真になってきた(^_^;)強烈なパースで超広角らしさを堪能してるとは言い難いですが、楽しくなってきたからOK!


がんばれ、日本
がんばれ、東北
がんばれ、日本の工場

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