【7thレビュー】SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM 〜 ひとりのフォトグラファーをお手本に子供撮り 〜
【レビュー前】スペシャリスト達を誇り、守りたい
【1stレビュー】 〜 職人達が夢を実現したレンズ 〜
【2ndレビュー】〜 外観とデフォルメ効果 〜
【3rdレビュー】〜 FLDとは? 〜
【4thレビュー】〜 強烈なパースで超広角らしさを堪能 〜
【5thレビュー】〜 フィルム一眼で使ってみた 〜
【レビュー番外】 〜 一本の大木 〜
【6thレビュー】〜 サクラに挑戦編 〜
『SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM』のレビュー7回目は、いよいよ最難関の『子供撮り』について。
グラビア方面では食傷気味になるほど広角や超広角レンズを用いた作品があるらしい。いやつい数年前まで週刊プレイボーイを愛読していたオヤヂですから、きっとそうしたグラビアを目にしていると思います。そう、誰よりも多く(^_^;)
そもそも人物撮りの作例として週プレを読んでいたわけじゃないですし、「おっ!」と反応する作品は「写真」としてと「グラビア」としてはまた違うと思いますしね(^^ゞオトコとしては。ま、ま、グラビアは置いておいて。超広角での人物撮りを成功させる解のようなものは存在すると。
■ なにがそれを困難にさせるのか
プロやハイアマが超広角レンズで見事な人物写真を撮りまくっていたとしても、ド素人の撮り手が特別な機材も無しに野生の我が子(笑)を撮るわけですから、そりゃもう大変です(^_^;)では何に引っ掛かっているのか....
先ず距離感・距離勘。
個人的に子供撮りをする時は、標準レンズよりも長めのレンズの方が撮りやすい。子供に気づかれない距離から自然な表情を撮りやすいからです。
ところが超広角レンズの場合、いつもの距離感で子供を撮ると全く絵になりません。ただ「撮りました」って一枚になってしまいます。
次に歪み。
画面内での配置がマズいと子供の顔や身体が歪みます。これは超広角の楽しさと背中合わせなのですが、「可哀想」って歪み方することが多いんですよね。
1/30 | F4.5 | 8mm | ISO100 | -0.3EV
そしてデフォルメ効果。
これは歪みとも関連してますが、意図せぬデフォルメ効果にガッカリしちゃう時も多々あるわけです。
最後にレンズの明るさ。
ボクの主戦場である室内(笑)での子供撮りは厳しいですね。いつも使っている明るい単焦点レンズのようにはいきません。SIGMA8-16mmはF値が大きい(暗い)ですから、常に動いている子供を写し止めにくいんです。高感度にそう強くないK-7だからなおさらですわ。
でもコレはSIGMA8-16mmをお借りする前から「普通に撮ったら上手くいかないだろうなぁ」って覚悟していました。それでも敢えて...
やっぱり子供撮りがしたいです!寄って寄ってっていういつものパターンから脱却を図り、子供主体ではなく一枚の絵のような全体で見せる子供写真を撮ってみたいです。
ってこんな大風呂敷を広げちゃったのにはワケがあります。
■ お手本は存在する。ただしその存在とは天才だ。
HAMACHI!さんに誘っていただいて、デジイチ購入前から写真SNSの先駆的存在のFlickrを楽しんでいるのですが、今回なんだかやれそうな気がしちゃったのは、Flickrにお手本となるフォトグラファーがいたからです。
Photographer : ღMayuღ
Flickr sets : Sigma 10-20mm
www.flickr.com/photos/mayu_/sets/72157603619692868/
ღMayuღさんがSIGMA10-20mmを使って撮られた作品群がどれも素晴らしいわけです。そう「まるで絵画のよう」なのです。
You never seen the sky like this before.
Originally uploaded by ღMayuღ
快諾を頂戴しましたので作品をひとつだけ転載させていただきます。いかがですか?圧倒的な美意識というか感性の鋭さを感じませんか?
いま拝見し直してもつくづく自分のバカさ加減を痛感しますな(ーー;)少しは模倣できると思ったんだから。天才の真似をそこらのオヤヂが出来るわけないよ....orz
超広角を使いこなすコツとして必ず用いられるのが「寄れ!」という言葉。確かにそれこそ大正解と思いますが、ご覧のようにღMayuღさんは多くの作品で寄り過ぎません。主の被写体に寄り過ぎず絶妙な距離感で見る者を魅了しています。
これだ!と思っちゃってたんだよなぁ、レンズをお借りするまでは。でもღMayuღさんのような、絵のような子供写真は一枚も撮れていません。いやきっとこれから返却するまで、まかり間違っても撮れないでしょう(^_^;)じゃあどうする.....
■ 心を解放せよ。自分らしさを取り戻せ
悪戦苦闘の連続。でもღMayuღさんのようには撮れないのは分かりましたから、開き直ってシャッターを切りまくるだけ!
ふむふむ、なるほど。
きた〜〜〜〜!!!!
遂に来た!コレはなかなかって作例がやっと一枚撮れた(^_^;)SIGMA8-16mmの恐ろしいまでの耐逆光性能のおかげでクッキリ撮れた!ふぅ一安心じゃい。
1/10 | F4.5 | 8mm | ISO250 | -0.3EV
そうだ!その調子!糠味噌臭い写真がボクの写真じゃないか!実はこれぞ8mmのパワー全開のありえない構図だが、良い写真じゃないのがつらいな(^_^;)
1/10 | F4.5 | 8mm | ISO1600 | -0.3EV
子供のありえない姿に救われてみようぜ、積極的に。
1/10 | F4.5 | 8mm | ISO320 | -0.3EV
こういう場所には最強だ、SIGMA8-16mm。
1/10 | F4.5 | 8mm | ISO125 | -0.3EV
どこが歪んでるのか分からないタイプの人
0.3s | F4.5 | 8mm | ISO1600 | -0.3EV
被写体ブレ上等だしな!
1/10 | F4.5 | 8mm | ISO500 | -0.3EV
汚い我が家もある意味フォトジェニックさ。
1/15 | F5.6 | 16mm | ISO1600 | +0.7EV
8mmの縛りを解けばガシガシ撮れる!
広角らしさからも解放されてしまえば、ほらいつもの子供写真が撮れちゃうぞと。しかし写りが良いレンズだなぁ。自慢の単焦点も真っ青な描写力じゃないか!
構えすぎずに「寄り」と「引き」のメリハリ付けること。歪みを利用するのかしたくないのか考えつつ、ファインダー全体をよく見て、いつもよりちょっとだけ構図を考えること。時には深い被写界深度を活かしてノーファインダーもOKよん。
これがSIGMA8-16mmで子供撮りをする時のボクなりの考え方。感性溢れる方はღMayuღさんのような作品にもチャレンジして欲しいと思いますです。
がんばれ、日本
がんばれ、東北
がんばれ、日本の工場
---------- ---------- ----------
![]() インナーフォーカスやHSMを備えたAPS-Cデジタル一眼レフカメラ用超広角ズームレンズ(最短撮影... |
| 固定リンク | 0
「カメラ」カテゴリの記事
- 旧100ー300mmを鳥見の供として(2021.02.07)
- 常夏の島に持っていく旅カメラ(2016.05.20)
- 娘にチェキ『instax mini 90 ネオクラシック』をプレゼント(2016.02.15)
- NOKTON 42.5mm F0.95 〜 必殺技ってそういうもんだ(2015.03.08)
- BC-TRWで快適充電(2014.05.11)
「モノフェローズ」カテゴリの記事
- CP+2014 〜 m4/3に返り咲き?それともフルサイズで600mm?(2014.02.16)
- 【レビュー】BenQ W1080ST 〜 狭い我が家であるからこそ(2014.01.28)
- 【レビュー】FUJINON XF14mmF2.8R 〜 いつ交わるのか、私とX(2014.01.24)
- 【レビュー】BenQ W1080ST ~ ONE DIRECTIONがキリッと大きくてどうしましょ!(2014.01.18)
- 【レビュー】FUJINON XF14mmF2.8R 〜 冬休みを過ごす子供を記録する(2014.01.13)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
初めまして!小野ともうします。
すごく良い写真ですね!
投稿: 小野 | 2011.05.17 13:47
■ 小野さんへ
嬉しいコメントをありがとうございます。
超広角はとても難しかったですが、
撮る気にさせられるレンズでした。
投稿: 丁稚 | 2011.05.21 07:06