この歳になって初めて図書館カードというものを作った。
先日、娘が借りたという紙芝居を返却しに近所の市立図書館を訪れたのだが、「読みたいな」と思う文庫本もかなりあったので、良い機会と思ってカードを作りさっそく2冊ほど借りて帰った。
本を借りるのはもちろん、図書カード作成にもお金は一切かからない。恐縮するような、ちょっと居たたまれない心境にもなった。なにしろ図書館に来るなんて.....中学校以来なのだから様子も勝手も全く分からないのだ。
■ ソニーに対する期待
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いまレビューのためにソニータブレットを借りている。不振を極める家電メーカーの代表としてソニーが取沙汰されているこのタイミングでである。
何をどう書こうが、事実誤認以外は全く縛りの無いレビューである。ソニーを応援して欲しいという依頼もなければ、そんな気持ちも無い。だから生意気なこともいっぱい書いてきている。
でもさんざ槍玉に挙げられているソニーに期待する気持ちが大いにある。『今のソニーに出来ないことじゃなく、これからのソニーにしか出来ないこと がある』と思っているんです。個人的に一番期待しているのは...
日本の電子書籍業界を牛耳って欲しい
言葉は悪いけど、そうすることでボクたちの利便性を向上させてくれそうに思えるから。独占させることが良い筈は無いけど、混沌としてしまうよりは良いと考えるんです。
■ AmazonとApple
「日本ごときの市場規模では...」とソニーは考えているかも知れません。世界企業ですから世界中でAmazonに対抗しようと思っているのかも知れません。でも出版物も電子版も取り扱える上に、オンラインショップとしても既に各国に多くのユーザーを持つAmazonは強い。あの時のAppleよりも...
そう音楽配信市場です。音楽配信黎明期、ソニーはAppleと真正面で対峙しました。あれから幾年月、ソニーに打ち勝ち、物理的なCDでの音楽販売の規模は年々縮小するなか、音楽配信市場は確固たるポジションを得ました。そしてその市場はAppleが天下統一を果たしたように見えます。
思い出せば、ジョブズが復帰しiMacやiPodをヒットさせWindows版のiTunesを一気に拡大させてはいたけれど、iTunes Music Storeを起ち上げた時のAppleは今とは較べようも無いぐらい小さく弱かった。でもジョブズの信念とともに音楽配信市場に乗り出し、成功させ、iTunesを軸に広がっていき、今に至っています。
あの頃のAppleよりも弱り切っているソニーだけど、既得権益の主張し合いで混沌としている国内の電子書籍に絞って、先頭切ってリスクを取り音頭を取るのならば統一するだけの力はまだあるように思うんです。そしてそれを端緒に捲土重来を....。
■ 本を売るという商売
『全国に数千館はある図書館で書籍って無料で貸し出されているんだなぁ。色々辛抱すれば読みたい本も買わずに読めるんだ』 と図書館を利用して、はたと気付きました。
書籍は何万部を売ればヒット作になるのか分かりませんが、著作権者や出版社や印刷会社にとって数千と存在する図書館は苦々しい存在でしょう。少なからず販売機会を奪っているからです。
そもそも本を売るという商売は「今すぐ手に入れたい、まっさらな新品で読みたい、手元に置いておきたい」といった買い手の所有欲や神経質さに訴える危ういビジネスだったのか。
年々、出版書籍の売上が縮小しているところに加えて、ブックオフのような中古書籍販売チェーンの台頭、そして今度は本格的な電子書籍化の波。著作権者や出版社や印刷会社が身体を硬くするのも無理はありません。
でも、いずれ印刷され製本された紙製の書籍は、今よりも価値が高まると同時にニッチなモノになるでしょう。音楽は生で聴くのが一番のように、紙に刷られた活字を読むのが最上と分かっていてもです。もしかすると図書館や古本屋でさえデータとして貸したり売買することになるかも知れません。
■ 目の前の大きな金塊
ではソニーは日本の電子書籍市場を牛耳ることで何を得るのか?
電子書籍市場は大きな金塊 なんです。動画配信はまだ先にワンチャンス残っている気もするけれど、音楽配信はもうパイのかけらしか残ってない。だからこそソニーは今、電子書籍市場を遮二無二獲りにいかなければいけないんです。
いつでもどこでも思い立った時に読みたい書籍が簡単に買えるようになり、読書という行為が紙でのそれより大きく劣らず、しかもより便利で楽しいものになれば 、読者の情に訴えるような脆く危ういビジネスどころか大きなビジネスになります。
片手で持てる端末で読書を気軽に楽しむスタイルが浸透すれば、売上部数は確実に今よりも増えるはずです。読書は楽しい、無くなるモノじゃない、かつて文庫本を作ったようにただ売り方を変えるだけ。1冊における利益は減ったとしても、既得権益を有する人々も縮小していく市場に手をこまねいているよりは良いはずです。
さらに常にネットに繋がる端末が必須の現代においては、読書しながら続編を買う、同じ著者の他作品を買う、小説や雑誌に登場する商品を検索して買う....書籍を売った後にも商売が出来るんです。
家電にゲームにカメラに金融と様々なモノを既に持っているソニーならば、電子書籍をネタにもっと違うビジネスモデルを構築できるかも知れません。AmazonにもAppleにも出来無い有機的なビジネスモデルをね。書籍販売に関わってきた人々も変化しながら、それに乗っかって後押しすれば良いのではないか?
ソニーはそれを先ず国内で、そしてそれを世界へ....
■ 魅力的な端末を
もしもソニーが国内の電子書籍市場を掌握し、全く新しい読書スタイルを構築してくれると仮定した時、既存の『Reader』『ソニータブレット』『Xperia』『Vita』『VAIO』といった端末が快適にそれを提供してくれるだろうか?
本命は『Reader』だが否だろうなぁ。大きさ薄さ軽さに加えてE Inkの読書も快適。ただ多様な表現を『Reader』にさせるのは限界もある。
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Readerの大きさ薄さそのままに、こんな感じにレイヤー化されたディスプレイを作れないだろうか。読書とその他の用途でディスプレイ方式が切り替わるとか、上手いこと奥行きや光源を活かした見せ方が出来るとか。これならKindleやKindle Fire、iPadとは全く違う魅力的な端末にならないだろうか。しかも価格は充分にkindleと戦える価格設定で....とか妄想が酷すぎるかな(^_^;)
ソニータブレットPの様に2画面にして下はE Inkで上は通常タイプっていうのもアリ?いやぁそれはそんなにスマートじゃないか。
■ ソニータブレットから新しいソニーを始めよう
今のReaderでは限界があるから、何でも出来るソニータブレットで新しいソニーを始めたら良い と思うんですよね。タブレット的な価値を高めるよりも、新しいソニーの受け皿となるべき新しい端末のプロトタイプとして、どんどんソニーに都合よくカスタマイズしていけば良いと思う。
....ってな期待を込めた妄想を最近しているのです。
*** 追記 ***
ソニーの誤算と成算、「キンドル」迎え撃つ老舗の意地 / 日経WEB
あいたたた、SPAさんのブログ 経由でこの記事を拝見したんですが、上でツラツラと書いていたことのそこかしこがかなり恥ずかしい感じがする(ーー;)何かを書く時はもっとしっかり下調べ...ってたぶん今後も勢いだけだよなぁ。
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