【2ndレビュー】FUJIFILM X-Pro1 〜 ハイブリッドビューファインダーとは? 〜
さて『FUJIFILM X-Pro1』のレビュー2回目。
【1stレビュー】 Foveon以来の衝撃”X-Trans CMOS”
前回は長々と新設計のセンサーの紹介をしましたが、今回もまたX-Pro1の大きな魅力のひとつであるファインダーについて書いてみたいと思います。ちゃんとまとまるかどうか甚だ不安ではありますが...。
って機能面にハフハフする前に、X-Pro1のサイズ感の印象を書いておきます。
■ これぞレンジファインダー。大きいけど手に馴染む
同じレンズ交換式のミラーレスカメラで、決してコンパクトとは呼べないPEN E-P3と並べてみました。こうやってみるとそう大して変わらない感じ。
でもやっぱりひとまわり以上、X-Pro1の方が体格はよろしいです。大きなAPS-Cセンサーを搭載したミラーレスカメラだとしても、NEXなどに比べてしまうとやはり「かなり大きい」です。
しかしながら、このフォルムも含めて(ボクは持った事は無いけど)ライカやベッサといったレンジファインダーカメラと同じような背格好なのです。
X-Pro1 : W139.5 × H81.8 × D42.5mm / 約450g(撮影時)
Leica M9 : W139 x H80 x D37mm / 585g
BESSA R2A : W135.5 × H81 × D33.5mm / 430g(電池なし)
ほらね。この大きさと無骨なフォルムこそが写真好き・カメラ好きを思わずニヤけさせるのであります。つまりこのカメラに惹かれる人は「大きすぎる」とか「重すぎる」って思ったりしないw 逆に「この図体じゃなきゃダメ」とまで言えるんじゃなかろうか。
ボクはレンジファインダーのカメラを使った事がありませんから、最初は「うっ、大きいな」と正直思いました。でも思っていたよりも軽くて握り心地もとても良いので、すぐに大きさは気にならなくなりましたね。デジイチとはまた違う「心地よく手に馴染む感」がレンジファインダーにもあるんですね。
■ ハイブリッドマルチビューファインダー
さて今日の本題、X-Pro1自慢の「ハイブリッドマルチビューファインダー」のレビューへ。
「ハイブリッドビューファインダー」とは光学式と電子式を自在に切り換えられるファインダーです。
これが光学式ファインダー(OVF)での見え方。まぁGRDで無理矢理接写してトリミングした画像なのでアレですけど、実際はさすがにすっきりと爽快に被写体を見ることが出来ます。
写真は標準35mmレンズ装着時のものですが、広角18mmレンズを装着するとファインダー倍率が自動で切り替わります。これは賢い!(18mmレンズ装着時には0.37倍、35mmレンズ、60mmレンズで0.60倍)
しかもOVFモードでもファインダー内にAFターゲットマークや撮影モード、絞り値にシャッタースピードに感度に露出補正などなど、撮影情報がしっかりと表示されます。そしてもちろん装着レンズによって大きさが切り替わるブライトフレームもクッキリカッキリと表示されます。
この凝った作りのOVFで覗きながら撮影出来る事こそが他のミラーレスには無いX-Pro1の魅力であり、使う醍醐味なんですよね。その行為に胸が高鳴らないのであれば、X-Pro1を積極的に選ぶ理由も半減するかも知れませんね。
ただシャッターを半押ししてAFを駆動させると一瞬、ブライトフレーム内が鼻息で曇るようにうっすら白くなる時があります。まぁ毎回では無いんですけどね。
さてグリップから中指を伸ばしたところに、昔でいうセルフタイマーのレバー的な物が配置されています。実はこれがOVF / EVFの切換レバーでして、ひょいと引きますと...
ほれ、電子式ファインダー(EVF)に早変わり。
ブライトフレームがなくなり、当たり前ですけど装着したレンズで撮れる画像そのもの(視野率約100%)が表示されます。追従性がどうのとか色々あるのでしょうけど、約144万ドットの高精細液晶の見え方はすこぶる良いです。
XF18mm(27mm相当)やXF35mm(53mm相当)ならばOVFで充分にフレーミングは出来ますが、XF60mm(90mm相当)となるとさすがにOVFでは構図の感じが掴みにくくなってきます。そこでEVFにひょいっと切換えです。
構図のみならず露出の加減や背景ボケの大きさ、フィルムモードなどの色味や雰囲気も全てファインダー像に反映されますから、撮る前に撮影後の画像を知る事が出来ます。しかも覗きながらです。背面モニターを見ながらとはワケが違うんですよね、やっぱり覗きながら撮るってのはグッと安定感が増します。
やたらとEVFの見え方が良好だし使い勝手も良いんで、OVFをあんまり使わなくなってしまう懸念が...(∩。∩;)ゞ まぁストイックになり過ぎずに好みのファインダーを使えば良いんですけどね。
■ 謎のマクロ切換えボタン
ファインダー繋がりなのでここまで書いちゃおう。
X-Pro1は背面に謎のマクロ切換えボタンがあるんですけれど、これもまた「ハイブリッドビューファインダー」と深く関わっていました。まぁ詳しい事は文系の私に説明出来るはずもないんですが頑張ってみますw
「光学式ファインダー(OVF)から見える景色」は「実際に画像を写し取るセンサーで見ている景色」と違うってことです。そりゃそうです、景色を覗いている場所が違うんですからね。
んで、これを視差(パララックス)って言いまして、被写体との距離が近付けば近付くほどズレは大きくなります。賢いX-Pro1はOVFでもブライトフレームを移動させてある程度まで対応してくれるんですが、接写モードとなるとさすがにOVFではフレーミングする事は不可能になります。(ちなみに「撮像面で見ている景色」をそのまま鏡で反射させてプリズムで正立正像にして、光学式ファインダーで生々しく見る事が出来るのが一眼レフってことになります。)
そこで謎のマクロ切換えボタンの登場です。強制的にEVFモードへと突入します!
装着レンズの種類に関わらず接写をする時は必ずこのマクロボタンを押すひと手間が必要になります。しかもEVFモードで撮影していても接写の時はマクロ切換えをしないと合焦までに時間がかかったり、そもそも合焦しないというケースも頻発しますので面倒がらずにポチッとなです。
X-Pro1 + XF18mmF2R / ISO200 / 1/45 / F2.0開放 / -0.33EV / RAW / カメラ内現像 / Velvia
X-Pro1 + XF35mmF1.4R / 1/320 / F1.4開放 / ISO400 / -0.33EV / RAW / カメラ内現像 / Velvia
X-Pro1 + XF60mmF2.4R MACRO / ISO1600 / 1/10 / F9.0 / -0.33EV / RAW / カメラ内現像 / Velvia
一応これがお借りした3本のレンズの最短撮影距離での写真です。被写体のダンボーはちっちゃい方です。マクロボタンを押さないと「寄れないなぁ」って思うんですけど、実は3本とも(60mmはマクロレ本職)寄れちゃうレンズなのでした。
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ハイブリッドビューファインダーを搭載出来たことで、現代的な使い勝手(AFなど)をも手に入れた初めてのデジタルレンジファインダーカメラと言えるんじゃないでしょうか『FUJIFILM X-Pro1』は。
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