『阪急電車』 〜 恋の始まり...嗚呼、戻らない日々 〜
『マークスの山』を読了した後にひとつミステリー小説を挟んで、積んであった『阪急電車』を読み始めました。超絶硬派な小説の直後にこの本はさすがにギャップがありますからね。
映画化までされた小説ですから、読む前からなんとなく雰囲気は漏れ伝わっていました。でも予想のちょっと上を行くぐらいに胸がキュンとする物語でした。真っすぐに恋をしていたあの頃が懐かしくなる本でした。
京都での丁稚奉公時代、四条大宮界隈に住んでましたから阪急電車にはよく乗りました。
初めての大阪は梅田から、周囲の人たちの歩く速度が速いこと。梅田の駅のうどん屋で「たぬき」と「きつね」がなんだか不思議なことになって焦った丁稚どん。
宝塚の旅館できものの展示会。鍵のかからない展示会場で品物と一緒に宿泊し、何だか寝付けなかったぺーぺーの丁稚どん。
可愛がってくれた先輩が十三の小さな寿司屋で海老の踊りを驕ってくれたのも良い想い出だ。でも京都に戻る阪急、ビールを飲み過ぎたのにむちゃくちゃ駅をすっ飛ばす快特に乗っちゃって、トイレを我慢するのに死にそうだったのは辛い想い出だ。
同期のモテない仲間のツレと女の子ふたりを誘って仁川の競馬場へ。ツレが狙ってたカワイコちゃんには約束をスッポカされた。丁稚どんが狙ってたカワイコちゃんは来てくれた。
丁稚どんとカワイコちゃんは初めての競馬場を楽しんでいた。本命を復勝で買って払い戻しにきゃっきゃっと喜んでたりした。その横でツレはひとり最終レースまで穴狙い、もちろんひとつも当たらなかった。アイツは馬も女も無理目を狙いすぎだった。
あの競馬場での変則デート、確かにあの日、恋が始まった。あの時のカワイコちゃん、仁川の競馬場の一日憶えてるかな?そうだ今夜、子供達が寝たら訊いてみよう(^^)
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コメント
うおっと、そうきましたか~!
スバラシイ♪
投稿: 716 | 2012.07.10 21:53
■716さんへ
うぉっと失礼致しました〜〜〜(∩。∩;)ゞ
投稿: 丁稚 | 2012.07.11 12:36