【最終レビュー】FUJIFILM X-E1 〜 あの頃のワクワクが蘇る
X-E1 / XF35mm / 1/480 / F1.4開放 / ISO400 / -0.33EV
FUJIFILM X-E1は兄貴分のX-Pro1ともども、当代随一の描写力を誇るカメラ。
そしてXF単焦点レンズは開放絞りからピント部はキリッと引き締まり、線が細い精緻な描写なれど黒が締まってコントラストが効き、少し寒色に転ぶものの色乗りも良好。
X-E1とXF単焦点レンズを組み合わせて撮れば、どこまでも透き通った豊かで優しい写真になる。デジタル臭い濃厚でギスギスとした写真と少し異なる風合い。ローパスが無いことの素晴らしさを知る。
もちろんぎっしりと光と色の情報を閉じ込めたRAWファイルは、現像時にいかようにも料理出来るだろう。このあっけにとられるほどの素っ気ない絵作りは、撮り手であり表現者であるユーザーに対するFUJIFILMの優しさと自信の現れだと感じる。
X-E1 / XF35mm / 1/320 / F8.0 / ISO400 / -0.33EV
動体を撮る。遠くのモノを引き寄せて撮る。確かにそうした場面は苦手なカメラ。だからといってこのカメラやレンズの持つ価値はひとつも損なわれない。
露出や被写界深度の具合を考えながら、手に馴染んだ道具を弄るように、撮れるモノを撮りたいように撮る。撮った写真の美しさに満足し、そして時に驚かされる。X-E1で撮ってると、写真屋にフィルム現像を持ち込んでいた頃のワクワク感を取り戻せる。
好きな人はトコトン好きになれる。そんなカメラとレンズ。
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コメント
バラの写真、息を飲む美しさです。
Xシリーズはやはり単焦点でこそ良さを発揮しますね。
XF1もモノフェローズの方々に良い評価を貰って
いる様ですし、富士フィルムの今後が楽しみですね
投稿: 静岡散歩 | 2012.12.14 19:09
丁稚さんの言いたいことは、なんとなく、分かる気がします。
同時に、レビューさせて頂いて、X-Pro1や、X-E1は、購入ターゲットを絞りすぎたかなと、つい思ってしまいます。
丁稚さんの1枚目の素晴らしい薔薇の一枚ですが、
いいな、良く撮れているなと思うと共に、
じゃあ、一眼レフに良い単焦点だったら、どうなんだろうという呼び水になってしまう気がします。
事実、このお写真を拝見すると、同じ時に、丁稚さんが、5D Mark2と、
50mm F1.4とかの単焦点レンズで撮られれば、どう写るんだろうという興味が湧いてきてします。
Leicaを好むヒトのように、どうしても、コンパクトスタイルで、
出来るだけ高画質、というケース(しかも、身内のX100もライバル)でないと、ちゃんと評価して貰うコトも、難しい孤高の存在かもしれませんね。
良いカメラなんだけれど、コレじゃなきゃという点が、足りないのかも。
なんていうか、欠点が沢山あるけれど、素晴らしい点がある天才肌じゃなくて、どこも、そつなくこなす秀才っていう感じですね。
EF50mm F1.2Lとか、EF85mm F1.2Lとかのバカみたいな存在感のあるレンズが、XFレンズにもあればなぁと思いますね。
投稿: Kiyo | 2012.12.14 20:36
■ 静岡散歩さんへ
ご覧いただきありがとうございます。そうなんですズームも良い写りなんですけど、やっぱり単焦点の良さがキラリと光る気がしてます。
>> 富士フィルムの今後が楽しみ
X100の後継機にX-Transを搭載するという噂も出てますし、目が離せない存在ですよね!
投稿: 丁稚 | 2012.12.15 07:44
■ Kiyoさんへ
>> 丁稚さんが、5D Mark2と、50mm F1.4とかの単焦点レンズで
同じ時ではありませんが同じ場所を同じように撮ったことはあります。
http://www.flickr.com/photos/detch/6357458465/
飾らない描写のXシリーズはやっぱりイイなと思います。
>> 購入ターゲットを絞りすぎた...Leicaを好むヒトのように...
実際は確かにそうかも知れません。普通にXシリーズで完結する人だけでなく...
http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/accessories/lens/mount/fujifilm_m_mount_adapter/
純正でMマウントアダプターも用意され、細かい補正機能さえありますから、FUJIFILMは好きな言葉じゃありませんけどプアマンズライカとしても本気出してると思います。
味のあるMマウントレンズの受け皿ともなるだけに、あの素っ気ない絵作りをしているのかも知れませんね。
色々ひっくるめて、このXマウントシステムの印象は使う人それぞれでしょう。個人的にはとても好きです。
投稿: 丁稚 | 2012.12.15 08:05
丁稚さん、
5D MK2で撮られた写真を拝見しました。
比較すると、けっこう違いますね。
立体感は同等な気がします。
色味の自然さ、色の再現性、色の浅いところから深いところへの連続性など、色はX-E1の圧勝のようです。
解像感、ボケ、階調は、5D MK2の圧勝のようです。
5D MK2は、ピクチャースタイルの関係もあるでしょうが、色が強すぎて、自然さがないですね。
色味を忠実設定などのフラットな色味にして、レンズを50mm F1.2Lとか、135mm F2Lとかにすると、各段に良くなれる気がします。
この辺りの拡張性の良さも、豊富なレンズを持ったフルサイズ一眼レフの隠れた魅力ですね。
まるで対照的な印象ですね。
結果として、個人的な意見としては、富士フイルムは、是非、X-Transのフルサイズ版を出すべきと感じます。
X-Transはベースとなるイメージセンサーは変わらず、
カラーフィルター部分を大幅な改良をしたモノです。
最後の特性としてのイメージセンサー部分の差異は残ります。
特に、ボケ味と、階調の幅は、大型イメージセンサーならではの厚みのある画質で、いかんともしがたいところだと思います。
あるいは、光学でしょうが、ツアイスとか、Lレンズのような超高性能レンズをだすかです。
Mマウントレンズへの対応ですが、X-Pro1を買われる層は、おっしゃる通りだと思います。
しかし、X-E1を買われる層は、普通よりも高級な・高性能なデジタル一眼カメラを求めているだけですので、そこまで、マニアックではないです。
ユーザー層も、各段に広いです。
例えば、X-E1が、数十万台〜100数十万台普及して、
その半分の人出もが、Mマウントアダプタを入手して、
Leica M向けレンズや、VMレンズなどに手を出したらば、
超入手難になると思いませんか?
やっぱり、レスポンスアップや、EVFを付けた時点で、自己完結を目指さないとイケナイと思います。
こうは、言っても、私も結構気に入っていますよ、X-E1。
自分のレビュー記事でも、高評価で書いているつもりです。
X-Pro1にはあった拒絶感がなくなって、気軽に使えるスナップ機になったと思っています。
でも、それだと、ライバルが多すぎるんですよね。
決まったときに、凄い画質を出すと言うライバルは、DP-1M/DP-2M。
レスポンスの良いスナップだと、丁稚さんも買われたNEX-5Rとか、Olmpus OM-D E-M5なんかもあります。
ここは、頑張って、レスポンスや、画質をさらに向上して、対応するXFレンズにも、超高画質(ツアイス、Zuiko、Lレンズ、Gレンズクラス)レンズを出すことでしょうかね。
投稿: Kiyo | 2012.12.15 09:03
■ Kiyoさんへ
このカメラとレンズに対する私なりのまとめもすでに書き終えましたし、Kiyoさんの印象を知りたいのは同じレビュアーの私ではなくKiyoさんの読者かと思います。こんな場末のコメント欄ではなく、ぜひご自分のブログでこの辺のお話しをお書きになって下さい。
投稿: 丁稚 | 2012.12.15 09:33
情報は参考にします
http://forums.dpreview.com/forums/thread/3353913
投稿: timon | 2012.12.21 23:16
レビュー拝見いたしました。
概ね合点がいくものの、一点気になってコメントさせていただきます。
>あっけにとられるほどの素っ気ない絵作り
これが他の方のレビューでもところどころ見られて、いつも「ん?」と思うのですが、ホワイトバランスが忠実で、スタンダード(PROVIA)だとそういう印象でしょうか。
私は、FILMではポジもやってた影響で、フィルムシミュレーションこそ富士ならではの絵作りの楽しさなのかなと思ったり。
一枚目薔薇の写真、VELVIAにすれば濃く鮮やかに、プロネガSTDにすれば、和室らしく静謐になるような気がします。
XE-1を返却した後では再現できないかもしれませんが、機会があればお試し下さい。
それと蛇足ながら・・・
既にフルサイズに引けをとらないAPC-SサイズのX-Trans CMOSに大型化を求めたり、FUJIなりに最高性能を求めたXFレンズを、ライカやLレンズと比べて下と見る人って一体どんな写真を撮るor撮りたいのだろう
・・・あぁ書いてしまった。失礼
投稿: じゃいろ | 2012.12.22 13:33
■ じゃいろさんへ
コメントありがとうございます。
>> あっけにとられるほどの素っ気ない絵作り
ごめんなさい。これは褒め言葉のつもりで選んだ言葉たちなのですが、伝わりにくいですよね。
「ぎっしりと光と色の情報を閉じ込めたRAWファイルは、現像時にいかようにも料理出来る...」
「...撮り手であり表現者であるユーザーに対するFUJIFILMの優しさと自信の現れ」
このふたつの間に当該文章を挿し込むことで、よりこのカメラとレンズで撮った写真の素晴らしさや豊かさ、感材メーカーとしての挟持を強調し代弁すらしたかったんです。
レビューするにあたってなるべく出荷時のままの設定で使い、現像もほぼストレートで何も弄りませんでした。
フィルムシミュレーションを試すレビュアーはたくさん居られるでしょうから、デフォルトのままでこのカメラとレンズの...
「どこまでも透き通った豊かで優しい写真」
が伝わる作例を撮ることに専念し腐心し努力しました。ま、残念な結果に終わってしまったようですが...orz
今後は誤解が起きないよう、作例撮影技術と文章力を上げるよう精進します(;^ω^A
投稿: 丁稚 | 2012.12.22 15:26
丁稚さん
返信ありがとうございます。
丁稚さんの素敵な写真と素直な感想はとてもよいレビューとして拝見させていただきましたし、丁稚さんの意図する表現も理解しているつもりです。
こちらこそ、その意図を伝えきれず、また理解していないような書き方をしてしまい申し訳ございませんでした。
私が言いたかったことは、
フィルムシミュレーション≠アートフィルター
ではない、ということだけです。
どうぞお気を悪くせず、今後もレビュー期待しています。
投稿: じゃいろ | 2012.12.22 22:58
■ じゃいろさんへ
意図を汲み取れずにごめんなさい
>> フィルムシミュレーション≠アートフィルター
分かります分かります。フィルムを楽しまれている方にこそX-Pro1/X-E1とXFレンズ群を使って頂きたいですよね!
http://www.flickr.com/photos/detch/7443592896/
http://www.flickr.com/photos/detch/3440355749/
X-Pro1をお借りした時に試したベルビアが好きすぎて、多用してしまう危険を感じましてw 今回は封印しました。
最近はフィルムで写真を撮らなくなってしまいましたが、「嗚呼またフィルムで撮りたいなぁ」っていう時あるんですよねぇ。X-Pro1/X-E1とXFレンズを持っていればそういう欲求も和らぐと思います。
今回X-E1でモノクロ撮るの忘れちゃったなぁ。失敗しました〜。
投稿: 丁稚 | 2012.12.23 10:29