『ひこうき雲』 〜 荒井由実の歌声に揺らぐもの
映画の感想とは分けて書きたかった。それぐらい劇場で聴いた荒井由実の『ひこうき雲』は素晴らしかった。
荒削りだけど才気が溢れ出し、聴く者を惹き付けたあの頃の声、彼女は天賦の才を持った生来のアーティストだ。
『ひこうき雲』をカバーするアーティストは多い。きっと歌唱力やテクニック面ではオリジナルをみな超えているだろう。ただ誰彼、強制的に振り向かせ、耳を傾けさせる特異な声を持つ歌い手は荒井由実以外に居ないだろう。
そうユーミンの歌声は天賦の才なのです。
一昔半ほど前にこれまたNHKでユーミンがモンゴルを訪ねホーミーという歌唱法に触れるスペシャル番組がありました。その番組内で「ユーミンの歌声は多くの倍音を含んでいてホーミーにとても近い」と紹介されていたのがとても印象に残っています。(参照リンク:土曜特集 松任谷由実 モンゴルをゆく~神秘の歌声 ホーミーへの旅~)
大御所ユーミンには悪いけど、齢を重ね経験を重ねるにつれ太く丸く安定していった松任谷由実の歌声よりも、二十歳前後のまだ細く澄んで折れそうな少女の戸惑いが残った荒井由実の歌声にこそ多くの倍音が揺らいでいて、強く人に訴えかける何かが確かにあったと思うんだよなぁ。
宮崎駿を向こうに回して一歩も引かない二十歳そこそこの歌声。才能同士のぶつかり合いもまた愉快でしたわ。
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