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2014.10.15

『とっぴんぱらりの風太郎』 〜 その分厚さに臆する事なかれ

とっぴんぱらりの風太郎

満足である。

タイトルは冴えないし、やたらと分厚くて高いから文庫になるまで待とうと思ってたけど、映画に触発されて読み始めて大正解だった。先の読めない展開は小説として当たり前だけど、746ページにびっしりと書き綴られた風太郎の物語を飽きることなく、いやもう貪るように一気に読了してしまった。万城目氏が渾身でその才を叩き付けたような作品だったように思う。

一筋縄でいかぬ鬱屈とした主人公であったり、荒唐無稽な設定が盛り込まれるのはいつもの万城目作品であるけれど、どこかのほほんと逃げ場のあった今までの作品と一線を画し、やたらと無情に人が死んで行く。それまで生きた意味を見出せぬままに死んでいく。忍びの世界や、いくさの場においては、自分の生死に大きな意味は無いことなのだろう。

ところが物語の終盤になって、そのひとつひとつの死が俄然光を帯び、大きな意味を持つようになります。ラスト100ページはどうぞ一気に読んで下さい。ハンカチとは言わないまでもティッシュくらいは傍らに置いておくこともオススメします。

この絵本が「とっぴんぱらりのぷぅ」で締めくくられていると聞きました。

東北のある地方では「とっぴんぱらりのぷぅ」が「めでたしめでたし」として使われるそうで、あっぱれなラストからこのタイトルをつけたとも考えられるけれど、近畿のお話しに用いる表現としては違和感があります。

もしかしたらこの絵本を読むことで万城目氏の真意が透けて見えて、風太郎の物語がより深まるような気がしてポチってみました。因と果についても何か伝わってくるのかも。『果心居士(wiki)』...わ!不勉強で恥ずかしい!

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ちょっと感想文が横道にそれました。出身地の物語を書くとついつい少〜しシリアスになるのは、万城目氏の郷土愛のあらわれなんだろうなぁ。きっと太閤様も好きなんだろうなぁ。

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