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2016.03.22

手塚治虫『奇子』

奇子 (上) (角川文庫) 奇子 (下) (角川文庫)


ふらっと立ち寄ったブックオフで手塚治虫の『奇子』を買ってきました。以前から読みたいと思っていた作品です。

最初にこの作品を近所の書店で見つけた時は、まだ小中学生の頃だったかな。手塚治虫といえば鉄腕アトムにジャングル大帝、リボンの騎士といった子供がワクワクする作品ばかりを描いているのかと思っていたのに、エロティックで陰湿な雰囲気を前面に出したこの作品を見つけて、思わず興味をそそられた記憶があります。もちろん子供ですから買えませんでした。

さて大人も大人、すっかりいいオヤヂになって、ようやく読むことが出来た『奇子』ですが、期待が大きすぎたのかちょっと物足りなかったというのが正直な感想です。

・横溝正史の金田一シリーズに出てくるような地元ではアンタッチャブルな存在である地方名家を舞台に、暗くジメジメとした因習や人間模様に翻弄され土蔵に閉じ込められた少女の成長物語。

・戦後、GHQの工作員を端緒に裏世界を暗躍した奇子の兄の生き様を描くことで主張する、迷宮入りした「下山事件」に対する手塚治虫の真相推察。

このふたつが並行しながら時に絡まりながら物語を紡いでいくのですが.....う〜む。

個人的には奇子を通した名家の没落物語をもっと掘り下げて欲しかったけれど、下山事件に対する手塚治虫の推察物語も盛り込まないと暗くなりすぎてしまうし、奇子を描かないともはや下山事件では読者の興味も得られなかったのかもしれませんしね。

『奇子』は1972年にビッグコミックで連載開始されたそうですが、その時期にその媒体で1949年に起こった下山事件を取り上げた手塚治虫の真意はなんだったんだろうなぁ。そこに何かのメッセージが込められているのか?はたまた温めてきたテーマを発表したにすぎないのか?

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